【事例・Fasterize社】ロシニョールの Web ページの表示スピードを1/10に短縮!
Fasterize社が実施したロシニョール(スキー・スノーボード用品を中心に製造・販売する企業)のWebサイト高速化の取り組み事例をご紹介いたします
FasterizeはSaaSソリューションを提供しています。一方で、フロントエンドの最適化に関するアドバイスを行う専門家チームがあり、監査も実施しています。ロシニョールはフランスのスキー用品のeコマースサイトですが、パフォーマンスの問題を抱えており、海外ではロード時間が長いという状態が続いていました。Fasterizeの推奨事項を実装することで、ブラウジングが大幅にスムーズになり、UX と業績が向上し、投資家を安心させることができました。
今回のプロジェクトを統括したDamienHars(ウィンタースポーツ用品サプライヤーのデジタルマーケティング&eコマーステクノロジーディレクター)とのミーティングです。
Fasterize:Webパフォーマンス監視を実施するきっかけは?
Damien Hars:我々は十数カ国で4つのブランドのWebサイトを管理しているので、Magentoでホストされている店舗が40以上あります。Rossignol.comは、12月から3月の間に最もトラフィックが多く、この期間中にスキーの国(北アメリカとアルプスヨーロッパ)で220万人のユニークビジターがピークに達します。
2017年後半に、完全な技術的な再設計を開始し、世界中のすべてのWebサイトでMagento 2 CloudEditionがサポートする単一のプラットフォームに移行しました。
この再設計は12ヶ月に渡って行われ、多くのリソース、時間、予算を費やして、Webサイト、ERP、CRM、商用管理ツールのリンクを可能にする機能的なルールを設定しました。
商業的なパフォーマンスは非常に良かったのですが、一報で、これらすべての要素を連動させるという点ではフロントエンドとUXの側面をおろそかにしていました。
その結果、Webサイトにはパフォーマンスの問題があり、特に北米とスカンジナビアでは、ロード時間が10〜15秒と長くなりアラートがでていました。
ユーザーからのフィードバックが不十分で、SEOペナルティが発生し、売上高が急落するリスクがあったため、これらを修正する必要があったのです。
ノルウェーの投資家との役員会議の中で、ユーザーエクスペリエンスについての議論が始まりました。私たちの目標は、6ヶ月以内にロードタイムを1秒にすることでした。これは、Speed Indexを1/10にすることを意味していました。
MagentoにはCDNが含まれていますが、それだけでは不十分でした。サーバー設定、CDN、HTML統合など、パフォーマンスの問題の80%は技術的なものであり、Webサイトを高速化するには専門家の目が必要でした。そこで、どうすればWebパフォーマンスを向上させ、この大きな課題に立ち向かうことができるのかを見極めるために、Fasterize に監査を依頼しました。
監査ではどんな改善点が確認され、どのような教訓が得られたか?
D.H.:Fasterizeは、Rossignol.comの非常に包括的な監査を実施しました。この監査では、改善すべき技術的なポイントが40点近く出てきましたが、そのうち約10点が重要であると報告がありました。
また、Magentoにも相談し、同時にインフラの監査も行いました。すべての推奨事項が統合され、ロードマップが定義されると、私たちは本格的な作戦を開始しました。
まず、ロード時間への影響の程度に応じて、推奨事項に優先順位を付けることから始めました。
当社のWebパフォーマンス指標はSpeed Indexをベースラインとしていたため、フロートラインより上のアセットに注力しました。
重点的に取り組むことにしたのは、以下のような点です。
- ユーザーの場所に応じたグローバルCDNの構成により、読み込み時間を半分にできた。
- Magentoから取得され、デフォルトで使われるJavaScriptを統合してコードをきれいにした。
- 画像の最適化:Webサイトはレスポンシブであるため、カスタマイズ可能なCMSコードを使用し、モバイル端末に画像をロードするかどうかを定義した。ITとマーケティングの制約の中で妥協点を見つけ、軽量かつ高品質な画像を維持し、モバイル端末では装飾的な画像を読み込まないようにした。
Fasterizeの推奨を実装のために、チームをどう編成したか?
D.H.:第一に開発が必要であり、Web開発者であるMagentoに委任したい最適化を特定し、ロードマップを改訂しました。次に、対処できる最適化を特定し、それらに優先順位を付けました。
監査の推奨事項の運用実装は、ITチームとマーケティングチームからの2つのリソースを調整して目標を承認し、とりわけ、将来回避したいエラーを特定することにより、8週間にわたって行われました。
監視ツール(Dareboost)を採用しました。これは、KPIの開発を追跡し、本番環境で展開された最適化の影響を確認するために不可欠なものでした。
また、期待された効果が表れていない最適化の中には具体的な調整が必要なものもあったため、Fasterize との協議を継続しました。
このようにして、ロード時間を1.9秒に短縮することに成功しました。つまり、Speed Indexを1/10にしたということであり、プロジェクトの開始時には夢にも思わなかったものです。
これに加えて、当社の分析ツールによると、Rossignol.comのコンバージョン率は9月15日から12月15日までの期間で前年と比較して94%向上しました。多くの要因が関係しているため、ロードタイムが100%起因しているとは言えませんが、Webパフォーマンスの最適化が重要な役割を果たしたことは確かです。これらの改善により、ユーザーはより簡単に閲覧できるようになりました。
Webパフォーマンスでどんな仕事をしていますか?
D.H.:Webパフォーマンスには日々注意が必要です。間違った処理をするとすべてが崩れてしまいます。ロード時間の最適化に取り組んで以来、KPIも継続的に監視してきました。この作業には多く労力が必要ですが、結果は決定的だったため、今後も維持したいと考えています。
このため、専任のWebパフォーマンスチームを設けるのではなく、Webデザイン、マーケティング、製品情報管理、IT、eコマースなどのすべての部門を巻き込むことを決断しました。Webパフォーマンスをチーム全体のビジネスとしたのです。
※この記事は”https://www.fasterize.com/en/blog/fasterize-helps-rossignol-divide-its-web-page-load-time-by-10/” の英文情報を元に、内容を分かりやすく編集、翻訳した記事です。